今日読んだ本です。
大槻ケンヂ著『リンダリンダラバーソール』
発行日から6年…遅ればせながら、そして不覚にもグッと来てちょっと涙ぐんでしまった。
最近、オーケンのエッセイが私の中でこっそりアツい。ぴあ連載の『神菜、頭をよくしてあげよう』は毎週星占いの次にチェックしているし、単行本化されている『神菜、頭をよくしてあげよう』『暴いておやりよドルバッキー』は最近また2回ずつくらい読んだ。
でも、いわゆるオーケンの“小説”と称されているものを読んだのはこれが初めて。まず思ったのは、「これは小説なのか??」ということ。
だいたい、私はどこから『リンダリンダラバーソール』や『グミ・チョコレート・パイン』が“小説”だという情報を得たんだっけ?はて??
オーケンのエッセイ好きの者として、もっと早くオーケンの“小説”にも手を出しておくんだったー、と思わせる、エッセイとの垣根の殆どない文章。それでいてエッセイとは違い、丸一冊で完結する作品なので一気に読んでしまったよ。
内容はまぁ、80年後半から90年代中盤に巻き起こったバンドブームと、まさにその渦中にいた筋肉少女帯オーケンの、ロックで恋で青春な自伝的物語。
あとがきでオーケンは、できればこの本を以下のタイプの人に読んで貰いたいと書いています。
1、バンドブームの頃にちょうど青春時代だった人々
2、現在10代から20代前半のバンドマンたち
3、何か始めたいんだけど、自分が何を始めたらいいのかさっぱりわからない人
この3項目がね、全部見事に私ニアミスしてるんですよー。ニアミスかよっ。
まず1、について。
「幾つだよ!」と突っ込まれそうだけど、当時筋少の武道館公演に私行ってるんです。確かまだ小学校低学年だったような。
ちょっと歳の離れた兄がいまして、お兄ちゃんがおそらくこの項目1にバチコン当てはまってる年代なんですね。おかげでイカ天とか家で点いてたんで、記憶にありますよ。
その兄が取ったチケットが、なんか用事が出来たのかなんなのか2枚宙に浮いちゃって、お母さんと観に行きました。すごい楽しかった記憶があります。「俺は高木ブーだー!」と叫んだ記憶があります。あとは『日本印度化計画』がお気に入りでした。子供ですから。
2、については言わずもがな。まさにニアミスです。20代後半のバンドマン(ウーマン?)です。
3、に至っては、学生だろうがニートだろうがバンドマンだろうが主婦だろうが公務員だろうが、心ある人なら毎日こんな気持ちでしょう。たぶん。
いまは果たして、バンドブームなのかどうなのかはよくわからない。
バンドはそれこそ星の数ほどあるけれど、音楽業界不景気の煽りを受けてバンドだけで余裕ある生活が出来てる人なんてほんと一握り。動くお金も0がひとつ(下手するとふたつ?)違うんじゃないかな。
でも、そんな風に当時のバンドブームとはちょっと状況は違えども、一バンドレベル、さらにその中の一バンドマンとしての個人レベルで見ると、なんか当時も今もあんまり変わらないんだなーって思う。そして、それってなんかいいなーって。
9月21日、再結成した筋肉少女帯の武道館公演がある。なんだかとても足を運びたい気分。そして叫びたい。
「日本を印度に!」
「しってしまえっっ!!」
ちなみに『リンダリンダ〜』や『グミ・チョコ〜』が小説だという情報は、オーケンのエッセイからのものでした。
じゃ、しょうがないね。